2007年4月13日金曜日

ゆとり教育

ベネッセ通信より

教育再生会議の第一次報告に高い関心
前回の「給食費未払い」についての取材後の雑談で、話題の中心になったのは「教育再生会議」が発表した「教育再生」の第一次報告だった。小中学校に通う子どもを持つお母さんとしては、今後の教育を大きく変えるかもしれないだけに、かなり気になるのも当然のことだろう。
安部首相の肝いりで誕生した「教育再生会議」はご存じとは思うが、その「教育再生会議」が、今年の1月24日に発表したのがその第一次報告で、正式には「社会総がかりで教育再生を〜公教育再生への第一歩〜」という。個人的には「総がかり」とか「公教育再生」とかの言い回しにはすこし抵抗を覚えるものの、たしかに現在の教育が課題を抱えていることを考えれば、とりたててメクジラをたてることもないような気もする。
大まかに内容を紹介すれば、「教育内容の改革」として「1.『ゆとり教育』を見直し、学力を向上する。2.学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする。3.すべての子どもに規範を教え、社会人としての基本を徹底する。」とし、「教員の質の向上」は「4.あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる。」とある。また、「教育システムの改革」では「6.教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す(地方教育行政法の改正)」と「『社会総がかり』での全国民的な参画」「7.『社会総がかり』で子どもの教育にあたる」とうたっている。
報道されているように、やはり全体的には「ゆとり教育」路線から「学力向上」路線への転換と、教員の免許更新、教育委員会の改革、家庭のしつけの重視、地域・企業の教育参画というトーンのように読める。具体的には「基礎学力強化プログラム」で「授業時数の10%増加」「薄すぎる教科書の改善」や、「大学入学前の半年間の奉仕活動」「民間人の校長登用」から「早寝早起き朝ごはん運動」とか「(企業の)経営トップは率先して教育現場へ」「有害情報が子どもに悪影響を与えないように」「有害情報や俗悪な番組(中略)の通報窓口」など、微にいり細にいりである。
当然、賛否両論と聞くが、これまで「ゆとり重視」だったのが、いきなり「学力重視」となったことに、お母さん達は、どう感じているのだろうか。
共通する学力への不安
意外なのか当然なのか悩むところだが、ほとんどのお母さんが、子どもの学力について不安を抱いているようだ。「進学校に行かせたいとは思わないけど、読み書きや計算くらいは、しっかり身につけてもらいたい(小学3年生の子どもを持つお母さん)」「やはり九九くらいはね(小学2年生の子どもを持つお母さん)」や「たしかに今の教科書、ちょっと内容が薄いみたい(中学2年生の子どもを持つお母さん)」という意見は共通しているようだ。
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