2007年6月25日月曜日

ネットカフェ難民

最近はやりの、ネットカフェ難民です。調べてみました。

ネットカフェ難民
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ネットカフェ・個室席の一例
ネットカフェ難民(ネットカフェなんみん)は、定住する住居を所有せず寝泊りする場としてインターネットカフェを利用する人々を指した造語[1]
目次[非表示]
1 概説
1.1 雇用環境の変化
1.2 携帯電話
1.3 定期的な仕事が供給されない日雇い派遣
1.4 ネットカフェ難民による違法行為
2 脚注・出典
3 関連項目
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概説

ナイトパックが利用可能なインターネットカフェ店舗一例(東京都)

コインロッカーの一例
これまで過ごしていた自宅(実家やアパート)やを諸般の事情(家賃の滞納や家庭の事情など)で退去して、24時間営業のインターネットカフェ漫画喫茶で夜を明かし、日雇い派遣労働などで生活を維持している若年者を指す[2][3]ホームレスに代わる用語として2007年頃より用いられている。一般的な高齢化による求職難、働く意思・意欲が無くホームレスになった人々とは対照的に、ネットカフェ難民は働く意思を持ち、日雇い派遣労働に従事するのでホームレスの用語をあえて使用せず、マスメディア側で2007年頃から便宜的に作られ使用されている造語である[4]
派遣会社に登録して携帯電話電子メールで派遣先を紹介される雇用体系を利用した、日雇い労働(ワンコールワーカー)に従事する若者が、2007年前後から首都圏で増加していると一部のマスメディア[5]で報道後、2007年3月15日には参議院厚生労働委員会での質疑で共産党所属の小池晃議員が、日本国内のネットカフェ難民の実態を調査をするように柳澤伯夫厚生労働大臣へ質し[6][7]、同大臣は「可能かどうか検討したい」と答えた。
これまでは公的機関が調査した正確な統計データはなかったが、厚生労働省は初の実態調査に乗り出すことを表明した。[8]

雇用環境の変化
身の回りの荷物の収納を長時間低額で使用できるコインロッカー[9]を物置代わりに利用して、低額料金のナイトパックで利用できる個室席、シャワー施設を完備したネットカフェなどの増加を要因とした社会情勢の変化でネットカフェ難民になることへの敷居が低くなったことも一因として挙げられ、バブル崩壊後のフリーターの増加、多くの企業ではコスト削減・価格競争力を維持するために派遣労働者の比重を高めてデフレ経済の中での生き残り策を模索し、それに比例して正社員雇用の採用が低下するなど幾つかの要因が重なり合った日本経済の雇用実態の姿を映し出している。

携帯電話
ネットカフェ難民の派遣労働者として働くことに欠かせないツールとして、携帯電話は出発コール(出勤・現場到着報告)・終了コール(勤務終了報告)・新規派遣先の前日確認などに利用されている。
2000年代になって、携帯電話の月々の支払い明細書を電子メールで送付するサービスを実施している携帯電話事業者(NTTドコモの「eビリング」など)があるので、住所不定の人物でも契約時に現住所と身分証で契約を済ませていれば後にネットカフェ難民に属した場合でも携帯電話は維持し続けることはできる[10]。また、過去の契約履歴与信審査なしで購入できるプリペイド式携帯電話の場合は免許証等の提示だけで購入・契約可能である。

定期的な仕事が供給されない日雇い派遣
1980年代から1990年代のフリーターなら安い部屋を借りて生活を維持できたが、日雇い派遣フリーターでは家賃・光熱費など数万円のまとまったお金が作りにくい。毎日仕事に入れるとは限らない上に、日払いの賃金がその日暮らしを維持することに使われる。ネットカフェを宿泊施設替わりの休息の場にする他、フリードリンクを利用して糖分・カロリーの確保の場、TV・PC・漫画など最低限度の文化や情報に接する場として利用する。
日雇い派遣労働の求人がなく、仕事を得られなかった場合には、2000年代後半に増加したファーストフード店の24時間営業店舗で夜を明かす人々もネットカフェ難民と類似する呼び方で、「マック難民」なる造語も2007年頃より使用されている。そのため、寝泊りする場所がネットカフェのみであるわけではない[11]
住所不定であるため、たとえ職を持っていてもクレジットカードの発行はもちろん、銀行口座を開設することすら不可能であり、また、運転免許証を携帯していても、免許証更新時期が近づいたときのお知らせハガキは免許証に記載された住所に送られるため、免許証の更新ができなくなる。ネットカフェ難民はそもそもの社会的信用がなく、その日暮らしなきわめて綱渡り的な生活なため、今日は生きられても明日は樹海にいっている可能性も否定できない。

ネットカフェ難民による違法行為
ザ・ワイドで放送されたネットカフェ難民の特集によると、インターネットオークションを利用して貴重なイベントチケット転売するというダフ屋行為で儲けている無法者と化したネットカフェ難民も存在するとの事。また、ゲームソフトDVD万引きして転売するという窃盗行為に手を染めるネットカフェ難民まで存在する[12]

脚注・出典

低額で利用できるネットカフェの一例・東京都蒲田駅
^ 若者が多いと言われるが、詳細は不明。
^ 【Webウォッチ】新ホームレス ネットカフェ難民 JANJAN 2007年2月1日
^ 大石英司の代替空港 ネットカフェ難民作家大石英司
^ ネットカフェ難民の造語を作り、端を発したのは「NNNドキュメント」2007年1月28日放送分『ネットカフェ難民 漂流する貧困者たち』からだと考えられている。
^ ネットカフェ難民漂流する貧困者たち日本テレビ NNNドキュメント07 過去の放送記録→1月→2007年1月28日放送
^ news24“ネットカフェ難民” 参・厚労委で議論
^ “ネットカフェ難民”急増しんぶん赤旗
^ ネットカフェ難民 初調査 東京新聞 2007年4月12日
^ 東京都大田区蒲田駅近辺に8時間100円で設置されている一例がNTV2007年1月28日放送分『ネットカフェ難民 漂流する貧困者たち』で紹介された。
^ 以前は契約住所に支払い明細書の郵便物が届かず返送される場合は利用停止にされ、後に改善されない場合は契約解除。
^ コーヒー1杯で「宿泊」 「マック難民」が急増 J-CAST
^ アキバ内で完結…ネカフェ難民が万引→転売、メード喫茶も 産経新聞 2007年4月27日

関連項目

ウィキメディア・コモンズに、ネットカフェ難民に関連するマルチメディアがあります。
インターネットカフェ
ワンコールワーカー
労働者派遣事業
ワーキングプア
非正規雇用
ホームレス
フリーター
格差社会
業務請負
偽装請負
日雇い
"http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E9%9B%A3%E6%B0%91" より作成