2016年2月24日水曜日

ラテンアメリカと反新自由主義

[FT]南米の「新自由主義」たたき、輝きを失う 

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2016/2/23 15:15

Financial Times
 南米の精神のために行われているとされる「新自由主義」との戦いにおいて、先週は一つの転換点だった。これはまた、この言葉の南米における長年の有害な使われ方を正しく理解していない、どこかほかの地域の自称急進主義者に対する警鐘にもなるかもしれない。「新自由主義」はうんざりする言葉だ。この言葉は1930年代に自由主義と社会主義の中間を曖昧に表す言葉としてつくられたが、世界的に広まったのは後々の1980年代、チリの独裁者アウグスト・ピノチェトの自由市場政策を指して使われるようになってからである。

子供たちとイベントに参加するベネズエラのマドゥロ大統領(12日、カラカス)=Miraflores Palace・ロイター
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子供たちとイベントに参加するベネズエラのマドゥロ大統領(12日、カラカス)=Miraflores Palace・ロイター
 それ以後、この言葉は南米の人々の間で何であれ反動的なものや不愉快なもの、あるいは残酷なものを指す一般的な軽蔑語に成り下がった。たとえば南米での国際通貨基金(IMF)のプログラム、米ワシントンのネオコン(新保守主義者)、スペインの緊縮政策を指すこともあれば、ただの八つ当たりに使われることもある。
 アルゼンチンの「新自由主義」の大統領、マウリシオ・マクリ氏を例に取ろう。マクリ氏は先週、2001年の債務不履行(デフォルト)を巡り全額返済を求める債権者たちとの長い戦いで方向の転換を図った。これは、通貨の切り下げやエネルギー価格の引き上げなど、不評を買うはずだったのに驚くべき高い支持率につながっている一連の改革で直近の動きだ。これと対照的に、ブラジル与党の労働者党は17日、「新自由主義に頼る」ことなく国を経済危機から救い出す方法を協議した。この言及は、社会的に不人気な改革は避けるということを暗に示しているが、これまでその改革方針は深刻な景気後退と汚職スキャンダルをさらに悪化させ、ジルマ・ルセフ氏を最も不人気なブラジル大統領にすることにしかつながっていない。
■使われすぎて価値下がる
 南米において「新自由主義」という言葉は、おそらく南米以外での復活に伴う乱用によって価値を下げている。08~15年の間に英語メディアでの使用頻度は3倍に増加した。この言葉を使っている人々には米国のバーニー・サンダース氏や英国のジェレミー・コービン氏の支持者が含まれる。南米では「新自由主義」に対する罵倒が政治的に便利な中傷の決まり文句になった。
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